開業311日目 こだわりとは
鬱陶しいと感じる今日この頃。
飲食に関する雑誌やネットでの記事を見ていると、こだわりの食材とか店主のこだわりがなんちゃらとか、そんなフレーズが目につく。なんだか良い意味で使われているけれど、本当にそうなんだろうか。
実はこの言葉、元々の意味とは違う使われ方をしている。良い意味を含んで使われ始めた本当に初期の頃は、こだわりという泥臭さがお客に迎合しがちな飲食業において新鮮味があって受けたのではないかと思っている。
でも今は違う。こだわりという言葉が氾濫しているという点において、既に魅力のない言葉になっていないだろうか。
○○にこだわったなんて枕詞がついたお店と紹介されていて、まだ行く気になる人なんているのだろうか。そんな今となってはありきたりで陳腐な言葉を使う編集者に取り上げられてもなんだかなぁと思う。
こだわりって決してかっこいいものじゃないし、まして自分のこだわりを押し付けるようなことがあっては台無し。
楽しさだったり自分の感じている良さを共有したい、広めたいという気持ちはわからなくもないけれど。
こだわりって持たないように気をつけていても人間ついこだわってしまうもの。いや、こだわってても良いんだけど、それをあからさまにするのは鬱陶しいことだなと思う。(2006/05/04)