■店舗改装工事、保全
店舗改装で注意が必要なことや痛感したことなど。
準備026日目 図面を作成する前に
今日から店舗の内部解体作業が始まった。
初日から問題が勃発。契約前に貰っていた図面と現状が相違していて、壁の材質と受水槽の位置が違っていたのだ。
スケルトンだったと聞いていたが、正確にはクロスや床材が貼ってあった状態で、図面との相違に気がつかなかったという。
本契約の前から図面を描き始めていて、内覧したときに実測したというので安心していたのだが…。
というのも、以前私は工務店に勤めていたことがあり、リフォームの仕事をしたことがある。
その経験から、図面と現状は殆ど違うということを知っていたし、痛い目にもあっていて、それだけは避けて欲しかったのにという思いがあったからだ。
常日頃から店舗の改装をしている業者に頼むのなら大丈夫だと思うが、そうでない場合、特に知り合いに頼む場合は、注意が必要だ。色々な意味で、厳しい態度で接することが出来ないからだ。
いくら相手が建築に携わった仕事をしていたとしても、分野が違えば至らないことが多々ある。
契約時に図面と相違する場合は、現状を優先と確かに書いてあるので、誰も責められない。あえて言うなら改装してくれる業者に言えないこともないが、果たして言えるのだろうか。
十分に現地を確認してから作図しないと、このようなことになるという典型例だと思った。
準備035日目 業者への支払い
改装業者への2回目の支払いがあるにもかかわらず、取り決めた金額を用意できなかった。
というのは、明日が祝日ということを夫が忘れていて、3時までに銀行へ行かなかったためだ。
新居の初期費用を支払ったばかりで、普通預金にはあまり金額がなく、ATMで解約できる定期預金を全て解約した。
原則的に私の預金は動かさないということだったのに、まぁこれがその例外時に当てはまる時なので仕方がないと思うが、私自身不本意であることは拭えない。
お金に関する意識が低いことを改めて痛感した。
支払いが遅れるのはもってのほかであるが、このようにぎりぎりのことをやっていると、無駄な動きや時間がとられる。これは非常に納得がいかない。
私も甘かったという側面もあり、夫ばかりを責められない。やはりまかせっきりにせず、どんどん口を出さねばならないなと思った。
準備036日目 近隣からの苦情
今回店舗として借りた1階の物件は、7階建てのビルで2階から上が住宅になっている。今日の工事で2週間になるが、初めて住民から苦情があったらしい。
その方の言い方が悪かったのか、苦情を受けた業者さんも夫も、相手が悪いと言っている。
確かにこのビルの前面は大きな道路で音がうるさく、少々工事で音を立てたからといって6階の住人が怒鳴り込んでくるのは、どうかというのが彼らの言い分である。
でも、私はそうとばかりは言えないと思った。
家で寝ていたか、のんびりでもしていたのだろう。しかも今日は祝日で、交通量が平日より減っている。余計にうるさく聞こえたのかもしれない。
また、前もって挨拶をしていなかったのも、事態を悪化させた一因だろう。事前に断っておけば、不快な音を聞くことは変わりがないが、受け手の気の持ちようも変わるのではないだろうか。
何も聞いていないというのは、一番腹が立つのではないかと想像できる。
準備037日目 近隣対策
苦情があったのは、このビルのオーナーが負担すべき部分の工事であった。
この工事は消防署指導によるもので、前の借主が増築した部分が被耐火壁になっていないため、撤去を言い渡されていた部分だった。
これらの点を主張するため、ビルオーナーと夫が施主として、このビルの管理会社が窓口となり張り紙をすることになった。うちの店に対する心証を少しでも良くしたいという気持ちだ。
しかし、一度悪い印象を持たれるとそれを覆すのは難しい。
騒音など被害があると不快になるものだが、もし事前に告知しておいたなら、多少なりとも対応が変わったのではないかと思う。
工事中に近所の商店や飲食店を利用することで、うちのお客になってくれることを期待しての配慮はしていた。
でも最も近い、同じビルの住民に対しては、それが足りなかったように思う。
集合住宅のため、近隣に対する関心が希薄になっている世の中であるが、店舗の改装工事により、いつまで迷惑をかけてしまうのか明確にしておく必要はある。
最低限のマナーではないかと思った。また商売を営む人間には、当然必須なことではないだろうか。
準備043日目 厨房設備決定
厨房設備の最終決定日。
壁に設置されている排煙口の位置の関係で、夫の理想とする配置が出来なくなってしまった。
店主である夫が動きやすい配置からは妥協する部分が大きくなってしまい、思考が停止してしまった様子。
しかし、厨房設備の納品、工期を考えると今日がタイムリミットである。早く厨房内の位置決めをしたい業者と、決定を下せない夫。
そんな行き詰った状況の中、厨房設備メーカーの営業が飛び込んできた。
現状を相談したところ、やはりこの道のプロ。店舗改装を何度も経験している業者さんも、思い浮かばなかった提案をしてくれた。
どこの厨房にもある観音扉の冷凍冷蔵庫の使用をやめ、全てコールドテーブルに切り替えるというのだ。これでなんとか夫もやる気になったようだ。
次回来るときに見積書と配置図を持って来てくれるという。設備が決まってしまえば、8割終わったも同然である。
業者さんも私もやっとここまで来たかという思いだ。これで来週には店の要であるカウンターが出来る。
店のイメージがより把握しやすく、今までは考えにくかったことも決められるようになりそうだ。来週の工事が楽しみである。
準備044日目 出費の総額を把握する
いよいよ厨房設備の発注段階に入った。
今日になって改装業者への支払いの中に、この厨房設備が含まれていないことがわかった。
厨房設備に限らず、水回りに関係する設備や照明器具などは、業者が想定しているものと施主の希望するものとの間に開きがあるため、大抵この部分は別途工事であることが多い。
ただ今回、融資を受けるために作られた見積りにはそれらが含まれていたためか、含まれていると勘違いしたのだろうか。別途工事という記載を見落としたのかもしれない。
夫とどのようなやり取りがあったか定かではないが、口だけでやり取りしていると、このような危険があるので注意が必要だ。
業者に書かせた見積りなどに、実質いくらかかるのか、設備関係はどのグレードで見積もられているのか、どの部分が別途工事であるのかなど、自分なりに理解していることを書き加えて、業者との見解の相違がないかお互いの確認が有効だと思う。
これが出来ると、予想外の出費の発生を抑えられ、トラブルも防げる。
施主は出費を抑えたい意識があるため、金額を過少に見積もる傾向がある。ところが実際に何かを決める段階になると、どうせだからとグレードの高い仕様をを選択しがちだ。
そのため結果として出費が増えるという仕組みだ。
現状を正しく把握し慌てないためにも、紙に書き出して総額を管理することが必要になるだろう。
準備049日目 内装の色を決める
飾り棚とトイレ入り口の枠が入った。
内装のメインとなる腰壁と同色なのだが、照明の具合によってまったく色が異なって見えるのが難しい。
今は蛍光灯と100Wの電球があるところで見ているので、かなり薄くというか明るく感じる。
実際にはもう少し照明を落とした状態になるので、それに合わせて色が塗られているはずなのだが、どうもピンと来ない。
同じ色でも、部材の大きさによって印象も変わる。木に塗装するのは難しいのだと思った。
仕上がりを美しくするためと工程を減らすため、先に色を塗っているので仕方のないことなのだが。
そんな状況の中で、カウンターやテーブルの色を決めることになった。
まず初めに考えられたのが、腰壁の色に黒を混ぜ彩度を落としたもの。次に黄色を混ぜて色相を変えたもの。
やはり彩度を落とす方が無難である。これに艶を出して時間を置くことにした。
完全に乾いた状態で見て感じが変わり、やり直しにならないことを祈るばかりだ。このようにして色見本をいくつ作ったことだろう。
幸いなことに1店舗目であるにもかかわらず、思い通りの内装に仕上がっていく。
でもその間に何度も試行錯誤が繰り返され、時間も手間もかかっている。夫だけでなく改装を請け負ってくれた社長も夫以上にこだわりを持って考え、施工してくれる。
本当にありがたいことだが、はたして工期に間に合うのだろうかという思いが心をよぎる。
準備050日目 工期に余裕をもつ
今回借りた店舗は天井が低いため、配管に手間がかかった。
天井まで高さがあれば床をあげることによって、配管できる。しかしこの店はコンクリートの床を斫った所に配管し、床材を張るという作業になる。
実は別の配管でも苦労していたようだ。
以前使っていた人が配管を増やしたとき、斫る手間を惜しんで床上に配管した場所があった。
その上にコンクリートを打ったため、床が盛り上がっていた。職人の仕事とは思えない、実に不恰好な仕上がりだったそうだ。
このままでは使えず撤去やり直しとなった訳だが、このためにも1日余計な仕事が増えている。
工事費とは、このようなことに備え余裕を持って多く見積もるか、シビアに見積もるかで大きく変わってくる。
業者の言う工期や予算よりも増える事の方が断然多い。
工期内、予算内で終わらせると、どこかで必ず歪みが出てくるものである。工事の不備であったり、近隣からの苦情に繋がったりと。
契約を守らせることはもちろん大事だが、客としても、密かに内心で工期や資金に余裕を持ってあたる事が望ましいと思った。
この余裕は、後々活きてくるものである。また、工期を守らせる一番良い方法には、現場をちょくちょく見に行くことのようだ。
準備064日目 カウンター完成
当店のセールスポイントのひとつにしたい、カウンターが完成した。
色はやはり腰壁の色に黒を混ぜ彩度を落としたものになった。何度も塗装とやすりがけを重ね、ピカピカのツルツルである。
よく見ると節が何箇所かある。これを他の部分と均一になるように塗るのは、手間がかかったそうだ。
節の部分はいくらでも塗料を吸い込み、水分が溜まり膨張する。詳しい工程はよく知らないが、何度も塗ったりやすりをかけたりしたのだろう。
このような光景を見ると、建築というのは本当に手作業なんだと実感する。だから建築費は高く、それの殆どが手間賃なのだと納得できる。
夫は出来上がったばかりのカウンターをカメラに収め、何かと人に自慢しているようだ。
松の厚みはそれほどでもないが一枚板を使用し、6mのカウンターを作った。ゆったり座っても、12人は座れる長さは見ものである。
入り口脇に小上がりを作らなかったら、もっと長くなっていただろう。
良い店というのはカウンターから埋まるという夫の信念があり、こだわった部分である。内装をやっている社長も、一番力を入れていた。
これでグッと「店」が具現化してきたためか、夫が一段と張り切っている。
準備065日目 外装工事追加
外装工事もすることになった。
内装が出来上がってくるにつれ、手付かずになっている外装とのアンバランスが歴然となってきたためだ。
でも、それでも初めは工事をするつもりはなかった。無理をしてもしかたがないし、今の状況では追加でお金を出すのは控えたい。限られた資金では、すでに使い道が決まっているのだ。
とりあえず見苦しいところだけ補修して、営業を開始して収入があってから工事しようと決めていた。外装が重要なのはもちろん承知しているが、ない袖は振れないのである。
そう工務店の社長から、左官屋さんに伝えたところ、もう少し安くするし支払いはずっと後でも良いと言ってくれたそうだ。
確かに今外装をやってもらえば、看板改修のため組んでいる足場を流用できる。
営業が始まってから改めてやるとなると、左官工事の費用の他に、足場の費用がかかるはず。その分節約できる訳だ。
どうしてそこまでしてくれるのかと訊いてみた。すると、これだけ内装が良く出来上がっているのに、外装があのままでは、ここの工事に携わった人間としてやるせない、ぜひやらしてくれという。
どうも夫は自分の理想とすることを、人にたきつけるのが上手いような気がする。それを具現化する力のある人は、自ら現実にしたくなってしまうのではないだろうか。
準備067日目 設備投資
厨房設備が納品された。購入した焼き台とフライヤーだ。
国民生活金融公庫の融資実行日がまだ確定していないため現金が乏しかったが、来月になると値段が上がるので今日納品取り付けしてもらったのだ。
安く購入できたのは良いが、あと数日待って欲しかったというのが正直なところ。トイレの設備も同じ理由で待ってもらっていたのだが、こちらも今日納品取り付けしてもらった。
初めは既存のトイレを使う予定だったが、他の部分が出来上がってくると、ここだけ古いのは目立つ。
また、良い店かどうかの判断基準に、トイレは重要だと新調することにした。しかも1箇所だったトイレを、男女兼用が1箇所、男性専用が1箇所と数を増やしたのだ。
こうして予算は超過するものだと、身をもって実感。まぁ、これも先行投資。ここで数十万(いや、全然馬鹿にできない金額ですけど)ケチって、やっぱりやっておけば良かったねとならないで済んだと思えば、精神衛生上得したと言わねばならないだろう。
夫も良い店とは、生ビールがすぐ出てくる店とトイレが綺麗な店と常々豪語しているのだから仕方がない。
でも今更ながら、飲食店は初期投資が非常に大きい。今回のトイレのように、お客の側に立って考えると、男性トイレが別にあるというはこちらが想像する以上に重要らしい。
そういえばうちは立地的に女性客も見込んでいるので、今回の問題は本当に大事な部分であることに、今更ながら気づいた。
トイレをどうするか悩んでいた時期に工事に来ていた、かなりお酒好きな職人さんの一言で2箇所に増えたわけだが、あの方に感謝しなければいけないだろう。
準備072日目 色使いの難しさ
小上がりの床材が届いた。
数日前の打ち合わせでは、カウンターの色に似たような色でと決まったのに、実際にはなんとヒノキの無垢材であった。注文した色がないので、それに色を塗ってくれということらしい。
包装材を剥くとヒノキ特有の良い香りがし、木目も美しい。これを塗ってしまうのはもったいないねぇと、私は内装をやってくれる方たちと話をした。
夫は他の店を真似したくないと言いながら、どこにでもあるような色使いをしようとしている。
こうしたいという理想がちゃんとあるのに、実際に選ぶとなるとやはり無難なもの、見慣れた色合いを選択してしまうのだろうか。
夫の意見を聞くと、やはり小上がりだけ白木になるのはおかしいと思うし、他の部分が塗装してあるのにここだけ白木のままだと、まだ終わっていない気がしてならないとのこと。
格子で区切っただけにせよ、個室は個室なんだから内側になる部分の色使いが違っても良いというのが、私と業者さんの意見。ただし、ではこの小上がりを何色にしたら良いかというと悩んでしまう。
白っぽい方が広く感じるし落ち着くという意見と、黒っぽいからこそ落ち着くという意見とある。ただ黒っぽくすると、予定より狭くなってしまった小上がりが、余計狭く感じるのではないかという意見が優勢になり、塗らないことになった。
夫はいつもの「任せますよ」と言いつつも、納得していない様子。
出来上がってから色をどうするか決めても良いのだが、後から塗ると木が乾燥してできた隙間は白いままになる。それを避けるために店内の木材部分は全て先に色を塗っている。だから小上がりも先に仕上がりをどうするのか決めてしまいたいのだ。
完成度の高さを求める業者さんと初めて工事に関わる夫との間で、調整を取るのが私の役目になっている今日この頃である。
準備079日目 外壁工事、家電購入
外壁工事が始まった。
昨日、既存タイルの外壁に左官工事ための下地の板を打ち付けていたのだが、そこに今日は掻き落とし仕上げのための下地を塗るとのこと。
外壁の地面に近い部分に、割った石を貼っていた。もう、それだけで和風の雰囲気でグッと見栄えが良くなる。
入り口のモルタルが欠けていた部分も補修されている。そういえば風除室の床が洗い出し仕上げになっていた。
ちょっと現場に来ないうちに、ずいぶん進んでいるなと実感。早く足場が取れないかなぁと思う。楽しみだ。
午後は、量販家電店に行った。店で使う家電を買うためだ。
まだ店に置く事はできないのだが、デジタル複合機といわれる、FAX、プリンター、コピー、スキャナが一緒になったものを買って、時間のある今のうちに慣れておこうと思ったからだ。
まとめ買いすると安くしてもらえることがあるので、係りの人を付けてもらった。
欲しいと思う商品に、ポイント還元が10%以上ついている時は、あえてまとめ買いに含めない方がお徳だとのこと。
どちらがお徳か比較してポイントとまとめ買いを使い分けた。
でも、もっと安くするなら、ネットや他店の価格を調べて、その値段をぶつける事だ。
そういうひと手間が、出費を抑えるコツだと思う。時間を惜しむか、お金を惜しむかの問題なのかもしれない。
準備083日目 施工管理者の必要性
うちの店の現場には、専任の施工管理者がいない。
通常工事現場には、設計者、施工者、そしてその間に立つ施工管理者がいる。
客と設計者が打ち合わせしたものを、施工者がその通りに作業してもらえば良いのだが、施工はあくまでも施工。建築はたくさんの種類の工事が寄り集まってできるものなので、その調整が必要になる。
それら全体を見通し、工程、品質、コスト、安全などの管理だけでなく、客、設計者、近隣住民、協力会社それぞれとの調整をとる役割がどうしても必要になってくる。
うちの現場では、設計、施工、管理者がほぼ一人の人間である。設計施工管理がひとつの会社というのはよくあるが、そうではなく、一人の手によるということなのだ。
工期、コストなどの面でメリットがある反面、それぞれの役割に対する質を見ると、不足してくる部分がある。
厨房の内装が出来上がり、夫が現場に入り動きや備品の配置を確認しているのだが、コンセントの位置が違っていたり、シンクをよく見るとこちらが想定していたタイプでなかったりということが発生している。
このあたりの管理という部分が、うちの現場には足りない部分である。オープンまでの時間が残り少なくなってきており、お互い殺気立っているためか、意思の疎通に欠けがちな状態だ。
私が一番良いと思うのは、設計者と施工管理者がひとつであり、客との調整を密にとってくれる人である。
そのためには、それなりにコストをかけるべきだと思った。
準備088日目 湯水のようにお金が…
別途工事になっていたNTT回線接続工事があった。
現場にやって来て、線を切ったり繋いだり。ほんの10分ほどの作業で、請求された金額が9000円。初回の使用料などと一緒に引き落とされるとのこと。
夫はそれを聞いて少々怒り気味。なんて良い商売なんだと…。
ガス工事にしても以前日記に書いたが、ほんの数時間の作業で15万円。現場そこだけでの時間単価で見ると、本当に高いと思う。
バックグラウンドの部分で投資があるから仕方がないと思わないとやってられない。それとも本当に足元を見られているのか?と考えれば考えるほど嫌になってくる。
まぁ、何が言いたいかというと、こまごまとお金がかかるということ。
オープンまで1週間を切り、水が流れるが如くお金が出て行く。
先行投資ということはわかっているが、公庫から融資され通帳に入っているお金がみるみる減っていく。
もうここまで来ると少々感覚が麻痺してくるような気持ちも。日常の金銭感覚がずれないように気をつけたいものだ。
開業059日目 台風と水漏れ
台風がまた来た。
直撃はしなかったものの、やはり影響があり今までで一番来客数が少なく、もちろん売上も惨憺たる数字であった。
でも来て下さった方はこの天気の中来ただけあって、皆さんよく飲む方たちばかり。客単価が非常に高かった。
それから今日は2度目の水漏れがあった。
場所は前回と違っていたが、またエアコンの排水が原因なのだろうか。
前回は原因を見つけ対処し、点検口をつけたので3万円ほど支払った。今回はさすがに負担したくないなぁ。
さていったいどうなることやら。
開業142日目 隙間風
ここ数日冷え込みが厳しくなった。
そのため店で早急に対応しなければならないことが二つ発生した。
一つ目は入り口からの隙間風。
店には外扉と内扉の2枚の扉がある。風除室を設けているわけではない。
予算の関係で、外観とはマッチしていない既存の扉をそのまま利用していて、しかも入りにくいイメージがあるので営業時間中は扉を開けている状態。
そのため内扉である木製の引き戸を設置しているのだ。
最近この引き戸からの隙間風が目立ってきて、扉のすぐ脇にあるお座敷に影響が出始めたというわけだ。
ホームセンターでこの隙間を埋めるテープか何かを買ってこなければ。見た目が悪くならなければ良いのだが。
もうひとつはトイレ。一番無防備になる場所である。
ここを快適にしないと、お客(とくに女性客)の入りに影響があるのは間違いない。
寒い!という指摘も、常連の女性客であった。
小型のヒーターを置くか、便座をウォームレットに換えるか、どちらが安く快適なのだろう。
開業161日目 寒さ対策
142日目の日記で課題になっていた寒さ対策である。
隙間風の方は、座敷の仕切りと引き戸の丁度コーナーになっているところから風が入ってくる状態になっている。
そこへ蔵元さんから頂いたのぼりを画鋲でとめることで、だいぶ防ぐことが出来た。
というより、よく見てみると風がのぼりの下を通って、座敷に流れ込まなくなったといえようか。
のぼりを飾っているように見えるため、見た目も悪くない。
たった一枚の布でも、意外に効果があるのは驚きだ。
一方トイレの寒さ対策には、手ごろな値段のヒーターが見つかった。それがこちら↓
YAMAZEN ミニファンヒーター MH-600SMB
営業時間直前にかなり低い温度設定で電源を入れているが、十分暖かい。
トイレに置いてある小さなゴミ箱と同じくらいで、邪魔にならない大きさが大変良い。
この季節、トイレが暖かいとこんなに快適なんだと実感できる。
思ったより安いものが簡単に見つかったので良かった。
開業231日目 こだわりの弊害
店の内装はあまりこだわらなくても良かったのではないかと思った。
というのは、木材の部分に集成材を使わなかったことで、色々なところで狂いが出てきている状況になったためだ。
工事をしてくれた方は、ある部分に使った材木以外はちゃんと乾燥されたものを使った、でも木も生き物だからある程度のことは仕方がないという。
それにしても一目で分かるほど接合部分がずれていたり、床板に亀裂が入るのはどうかと思う。
工事をしたのが雨期で、今は暖房のために乾燥しきっている状態だと説明されても、夫は納得できないようだ。
私は工事現場に出入りしていた経験があるので、業者によってはこんなこともあるものだと思っている。
お金と工期に十分な余裕があった訳ではないのだから。
何が問題かというと、木材の含水率13%だから大丈夫だとか、地元で指物師として賞を取ったとか(昔取った杵柄的なことだが)を散々言っていたことである。
それほどの人がこんな結果を出しては、この先どうなるのだという夫も心配もわからなくもない。
あまり大きなことを言わないでくれていたら良かったのにと、今さらながら思わずにはいられない。
夫とは違う部分にこだわりを持っている人だと分かっていたにも関わらず、その点の相違について話し合いを十分に持たず、相手の考えを押し切らせてしまったのが原因なのだろう。
次に頼むときは、こだわりを持たないようにしてくれる方を基準に選びたいと思った。
開業252日目 施工業者の選定
「ウチごはん&ソトごはん(居酒屋ができるまで 07)」さんのブログでレポートが追加された。
予想通り工事に関してのことだった。こちらでも問題が勃発していた様子。
うちが店を作った時と同様のことが起こっていた。いや、うちより工期が短い分、比較にならないほど大変だったと想像できる。
二店舗目を持つ機会に恵まれたときに備えて、今日の日記を書こう。開業準備期間中の日記も読み返しつつ。
一番大切なことは施工業者の選定、厳密に言うなら施工管理者の選定であると思う。
素人である私たちが施工者に意思を伝えるのは難しく、大変な労力を要するものである。
なぜなら施主は設計図を拠り所としているのに対し、施工者は現場主義、とにかく出来上がれば良いと思う節があるからだ。
この相違を調整する役目を負った者がいないと、希望通りの店は出来上がらない。出来たとしても色々な面で無駄を生む。
被害を被るのは、その店とずっと付き合っていく施主なのである。
業者を選ぶ際に判断するものは、設計図、見積書、工程表、施工管理者の4つで、依頼した通りの結果を出せる業者かどうか。
どんな打合せであっても、それぞれの書面を見ながら相互確認する。
業者以上の集中力でどんどん口を出していく。
「〜だろう」ではなく、「〜かもしれない」という気持ちが店造りには必要だと痛感した。
開業298日目 トイレの移設にはご注意
先週、いや、先々週だったかもしれない。トイレの流れが悪く業者さんを呼んだことがあった。
開業当初から調子が悪かったようで、工事をしてくれた人に度々その旨言っていたらしいのだが、そういうことはよくあるといなされたまま今日に至っていたようだ。
本来なら店の改装工事をしてくれたその会社へクレームをつけるべきところ。しかし諸事情があってコマーシャルか何かで宣伝している業者さんに見てもらった。
詰まりの原因を見つける前に、いくつか指摘を受けたらしい。
まず、トイレから下水本管へ繋がる部分には点検口が設けられるはずだがそれがないこと。それからパイプの接続が適切ではないため逆流しやすいのではないかということ。
点検口については確かあったような気がするし、工事をしてくれた社長もあると言っていたが、本職の人が気がつかないはずはないからやはりなかったのか。
そのため便器を外すことになり、修理代が嵩んでしまった。それでもまだましな方で、最悪床の一部を撤去することだってあると脅されてしまった。
さて原因は何だったのかというと、ボールペンが引っかかっていたらしい。しかも2本。そういえば一時期ボールペンがないとしきりに言っていた。これだったのかも。
原因がわかるまで、あれこれ考えてしまった。配管の写真を撮っておけば良かったとか、やはりトイレの移設はしなかった方が良かったのかとか。また、瑕疵担保責任だといえる材料はないだろうかとか。
とりあえず原因が、取り除くことが出来ることで良かったが、そうでないとしたら損害は計り知れない。トイレを移設しなければ付帯設備として貸主に相談できるが、そうではないのだから。
改装工事費を安く抑えた分そのリスクは負わなければいけないのだと痛感した一件であった。