■店主

居酒屋店長の一日や金銭感覚の変化、店主として必要なことなど

準備001日目 サラリーマン最終日

3年勤めた店の最終出勤日。

有終の美を飾っていただくためにも、余裕をもった出勤をしてもらいたいと、私は昼休みにモーニングコールをした。

夫の最後の出勤ということで、わざわざ足を運んでくれたお客さんがいたおかげか、忙しく充実した日だったとのこと。仲のいい同僚と盛り上がって帰ってくるのかと思いきや、色々あったらしく、寄り道せずに帰って来た。

「本当にいいお店だった。いい経験になった。」と感傷の中にも力強さを感じる夫の一言であった。

準備023日目 開業準備の負荷

良くも悪くも思う通りに進まないことが多々ある。

会社を辞めた当初は、夏までにオープンできれば良いとのんびり構えていたのに、実際に動き始めると周りの人の協力という波に乗ることになり、思ったよりも展開が速い。

夫は、開業してしまうと遊べなくなるという思いがあるせいか、今のうちに思う存分遊びたいようだ。

意外にも本人より周りの人間の方が、早く進めたいと思っているのが現状で、それだけ開業準備とは、サラリーマンだった人間にとって慣れないことが多く、心理的負荷がかかっているのだろう。

実際にやる本人とそうでない人間という立場の違いはもちろんあるが、私も協力してくれる人も、会社を立ち上げ自営の経験があるため、夫よりも先を見通せている違いも大きいのではないかと思う。

段取りが把握できているというか、段取りを自分で決められるため、余計な力を必要としていない。

独立開業するには、経営者になる必要がある。そのためには、不得意な分野も創業時には自ら行わなければいけないことが多い。

経営に必要な予備知識は会社に勤めている間に、取得していた方が楽だと実感した。

開業044日目 早く終わったとしても

久々に早い時間に忙しかったようだ。

そのためか深夜客足が途絶え、閉店時間にスパッと終わることができたらしい。

売上も上々で、理想的な日だった。いつもこうだったら良いのにと言う。

確かにそうかもしれないが、早く終わっても終わらなくても飲むぐらいしかやることがないのだから、早く終わったとしてもあまりメリットがないのではと思う。

そう、夜働いていると、遊びようがなくてかわいそうだなと思う。

でも夫のしたいことと言えばスロットぐらいなので、時間を持て余すことがなくて丁度良いのかもしれない。

私にはどう考えても無理な生活だ。

開業076日目 店主の価値観と客層

夫の店選びの手段は、行き当たりばったりで決める店もあるが、danchuや東京カレンダー、知り合いの紹介。その店に行きたいという目的があっていく場合がほとんどだ。

だから自分の店では、いかに目的客が集まるかを意識している。

夫の望む客層なら、店に来るのが目的。その目的は他では代用できない。これは強みになるだろう。

稼ぐ独立 飲食道というサイトで「立地等から客層を想定しても、結局集まるのは店主に似たお客だ」というようなことを読んだことがある。

店作りは自分が好ましいと思うかどうかが判断基準になっているので、それに同意してくれるお客、店主に似た考えを持っているお客が集まるのは頷ける話だ。

夫が手ごたえを感じるのは、そういう自分の価値観に賛同してくれたお客だ。

ただ、そのようなお客にどういった方法で、店の存在を認識してもらうかが問題だ。

開業115日目 ストレスを減らすためには

独立開業したのは何のためなのか、再確認する必要がある。

これは独立している、していないに関わらず、何かをやっている最中の人間なら、誰にでも当てはまることだと思うのだが…。

思う通りにならない、ストレスが溜まっているなと感じるときに、何のために自分はということを再認識しないと、方向がわからなくなるのではないだろうか。

何のためというか、自分にとって何が大事かということをだ。

雇われない生き方、理想の店作り、売上を上げる、手取りを増やす、自由な時間を増やす、これ以外にも様々な目的があるだろう。

この優先順位が明確でないと、上手くいってないなと感じたときに迷いが発生する。

これがストレスの原因だと思う。


目標や目的の認識はとても大切。「農学博士の麦酢社長日記(目的と目標)」さんのブログを参照のこと。

開業123日目 お金は使うために…でも

今週は夫の帰りが遅い日が多い。

どうも売上の悪さと因果関係があるような気がする。

暇疲れというのだろうか、そんな日はぱぁ〜っと飲みに出かけたくなるようだ。

本人は「売上が悪いのにこんなに使っていいのかな…」と言っている。

「そんなんじゃ駄目でしょ!」と言って欲しいのだろうか。

でも、自分で稼いだお金だし、お金は使うためにあるのだから、良いと思うのだが。

しかし、ちょっと見えた気がした。

売上が悪い→気晴らしが必要→お金を使う→手元にお金がない(なくなる)→精神的悪影響→店の雰囲気悪化→売上低下という悪循環だ。

こうやって店は潰れていくのかもしれない。

開業163日目 小規模事業所健康診査

夫が先月受けた健康診断の検査結果が届いた。

これは5人以下の区内企業に勤める従業員を対象に、区が実施している健康診断。

料飲組合の会長さんが無料で受けられると教えてくれたので、従業員を連れて夫が行って来たものだ。

今気がついたのだが、対象が従業員になってる。でも実際は店主でも受けることができるということか。

まぁ検査項目が区民健康診査と一緒だから、うるさく言われないのかもしれない。

区によって変わるようだが、小規模事業所健康診査は、9月〜11月の年7回というように、年度始めである4月に区報でスケジュール等が告知される。

もちろん区のウェブサイトでも確認可能。

申し込み方法は、実施の約1ヶ月前に区報で募集され、珍しいなと思ったのは歯科健診があること。

また、数値に異常があると、別途、保健センターで指導をしてくれるようだ。

夫が指摘された項目は、軽度の肝機能異常と歯石沈着。あと、指摘はされなかったが、血圧がギリギリ正常の範囲内というところか。

血圧は計測した条件によって数値が変わるため、さほど気にすることはないのかもしれない。

でも、年齢と共に上がるものであるようだから、気をつけていた方が良いことも確か。

血圧は運動を習慣にすることで、簡単に下げることができる。

私の経験であるが、ジムに通って1時間の軽い運動を週に2〜3回続けたところ、かなり血圧が下がった。今では逆に下がりすぎてしまったぐらいである。

ただ、運動は続けることが簡単ではないのだが。


事業主は体が資本とよく言われる。どういうことかというと…。
MCEA北海道「独立するIT技術者」応援サイト」さん、
和田労務経営事務所のブログ」さん参照のこと。

開業169日目 店主の一日(前半)

我が夫である居酒屋店主の一日をレポートしてみよう。

他のお店はどうなのだろうと思いをはせつつ、このレポートが呼び水となってコメント頂けたら幸いだ。

店主が起きる時間は、実際のところよく分からない。私が平日勤めに出ているためだ。

土曜や日曜日の様子を観察していると、いつまでも寝ている。

今住んでいる家に引っ越してから目覚ましをかけなくなった。明るさと携帯のスパムメールで何度も起こされるからというのが理由。

ただ、だんだんと冬時間になり起きることが容易ではなくなったようだ。

これは本人の発言と、私の帰宅時の部屋のタバコ臭さから観察できる。

さすがにお酒の仕入や仕込がたくさんあるような日はそれなりに起きることができるらしい。

仕入や仕込みが少ない日は、開店1時間前に店に出ているようだ。

掃除や雑用は、従業員がやってくれているし、うちに来るお客は出足が遅いため、それでも間に合うのだろう。

また、客の引きもだらだらしている店なので、前日に仕込を済ませることが出来るのも、当日の余裕を生み出しているようだ。

開店の数時間後、ピークを前に今日初めての食事。

焼き物を担当しているわけではないので、作業に付っきりになることもさほどなく、隙を見て食事が出来るらしい。

もう今では食事する暇もないなんてことも、ほとんどないようだ。

(明後日につづく)

開業171日目 店主の一日(後半)

(一昨日のつづき)

店のピークは営業時間後半、24時前後にある日が多い。2時の閉店時間にスパッと終われることはあまりない。

常連中の常連さんがだらだらいたり、営業時間前半の売上が悪いため、後半の稼げるときに稼ぎたいということもあるからだ。

結局3時頃、最後のお客さんの会計ということが多々見受けられる。

一応閉店時間は過ぎておりお客さんにも了承を得ているので、この時間には大方の片付けは終わっているとのこと。

レジの精算をするのだが、精算レシートを印字して、伝票と仕入のレシートや納品書を売上と共にバックに入れるだけの作業で終り。

この後1〜2時間ほど店で飲んだり、飲みに出かけたりするようだ。

お客さんと飲みに行くともっと時間がかかって、朝6時過ぎに帰って来ることも多い。

夫曰く「最近アフターが大変なんだよぉ。」とのこと。

でも仮に7時に寝たって、16時に起きるんだったら9時間も寝ることが出来るではないか。

これを6時間ずらして昼間働く人と考えると、10時に起きて11時出社。21時まで残業して、24時帰宅と言ったところか。

そして毎日9〜10時間の睡眠。

深夜働く辛さなのか、本人の体質なのか定かではない。

開業179日目 取引先への不満

食材の仕入の一部にある会社と取引している。

この会社はブローカ的存在で、あらゆる食材を注文に応じて取り寄せ、納品してくれる会社だ。

夫が以前勤めていた店でお世話になっていたこともあって、独立後の今も取引させてもらっている。

どんな細かい注文にも迅速に、親身になって対応してくれるのが良かったとそのときは思っていた。

しかし、いざ事業主となってみると金銭面での問題が顕著になってきた。

もとから高いなぁと思っていたのだが、それよりももっと気になることがあって、今後の取引をやめることになるかもしれない。

それは、予算の使い方だ。

例えば「1匹100円のアジを」と注文すると、きちんとその通りの値段で納品する。

問題なさそうに思うかもしれないが、事業主になるとこのあたりがシビアになってくるのだ。

毎回予算通りの納品はおかしいのでは?安いものを仕入れて言い値で納品しているのでは?と思い始めるらしい。

雇われていたときはさほど気にならなかったことが、自分の店となるとこうも変わる。

他に取引している業者さんはどうかというと、予算を告げるともちろん範囲内で現実的な値段で納品する。ようはぴったりその値段での納品が少ない。

値段というのは操作できるもの。

前者の会社が実は110円のアジを100円で納品していて、後者の業者が80円のアジを90円で納品しているのかもしれない。

実際の値段どうこうという問題ではなくて、いかに顧客の要望に応えるか、結局は顧客満足度の問題なのだ。

開業192日目 仕事始め

今日から営業。

連休の前々日だから、どうせお客なんか来ないだろうと高をくくって、のんびり仕込みをしていた夫は、その期待(?)を見事に裏切られたらしい。

開店時間を待っていたかのように、すぐに常連さんが来店された。

今日は珍しく早い時間から他の常連さんも揃い、12月の最高売上金額を超えた売上があった。

かなりの忙しさであったにもかかわらず、「今日は充実したとてもいい日だった。やっぱ仕事っていいな。」と嬉しそうな夫。

今年の正月はどこへも行かなかった。

無趣味な人で、楽しみといえばスロットぐらい。

ただ、この正月は例年になくスロットの調子が悪く、よけいに辛い連休だったようだ。

正月だけは比較的稼げると期待していた分、気落ちも激しかったのではないかと思う。

そして仕事を始めてみれば、ありがたいことにとても賑わった日であった。

ブログを見て来てくれたらしき初めて見るお客さん以外は、今の店が出来てからの常連さんであった。

それも余計に嬉しかったのではないだろうか。

開業195日目 合わないと思っても

開業116日目 視点は違えど学べるサイト」の日記でも書いた「おいしい店とのつきあい方。」という連載を時々読み返している。



今日読んだファミリーレストランとの付き合い方では、メニューについて書かれていた。

私は読みながら、メニューのあり方と店のサービスは合っているのだろうかとちょっと考えてみた。

まず、メニューには「分かりやすいメニュー」と「一見しただけでは、はて?と思ってしまうメニュー」がある。

うちの店はどちらに属するかというと、後者。料理名と値段があるだけ。

料理名もシンプルで、一時期流行った(?)「○○と□□のなんとか風なんとか」等、どんな料理であるか想像できるように詳しく書かれていない。

飲み物は、次々と入れ替わる日本酒がメインなので、グランドメニューにはビールやほんのわずかな種類のサワー、徳利で出している日本酒の値段、後は日本酒と焼酎は一律ですと書いてあるだけ。

黒板に書かれた日本酒は、銘柄と種類のみ。

焼酎にいたってはメニューすらない(ずらっと並べて瓶を見てくれという感じ)。

まぁ分からなければ聞いてくれというスタンスである。

このような状態であるから、スタッフの質、店主の教育具合が問われる。

いかに聞き易い雰囲気をつくれるか。的確な対応が出来るか等。

お客さんが気軽に声を掛けることが出来るタイプなら問題はない。

私が心配なのは、そうでない、声を掛けるのが苦手なお客さんに対してだ。

(明日につづく)

開業196日目 考察 限界を超える

(昨日のつづき)

店主である夫はお店の人間に気軽に声を掛けるタイプなので、自分とは違うタイプのお客さんの場合、それに相応しい対応をしているかどうかが気になっている。

私の想像では、ハッキリ言うと切り捨ててしまっているのではないかと。

まぁそれはそれで店の方針というか、どんな店にしたいかというビジョンがあり、それに合うお客さんが残るということを承知しているなら良いのかもしれない。

狙った客層があり、それ以外には迎合しないというスタンスはありだと思う。

店(=店主)が好ましいと思うお客が常連さんになり、うちの店にいて居心地が良いと感じてくれるお客さんが長く通ってくれることになるのだろう。

これはとても自然なことだ。

でも商売として、店を繁盛させると考えたときに、このままでは先が見えてしまう。

すでに今いるお客さんの絶対数が見えてしまっている現状においては。

ただたとえ商売であっても、それをやるのは人間であり、当然相手も人間である。

人間は自分が本当にやりたいと思うことしか出来ないもの。

一時であれば、気が進まなくともやらねばいけないこともできることはできる。

しかしそれが継続するかどうか、それが習慣になるかどうかは、難しいのではないだろうか。

十分に考えて自分の中の原則にそった形を作らなければ、現状を脱するのは困難だと思う。

ではどうやって今できることから、目標になっていることをすり合わせていくのか考えてみよう。

(明日につづく)

開業197日目 合わないと思っても

(昨日のつづき)

現状を把握し、目標に近づける方法を考えてみた。

目標は、新規のお客さんを増やすこと。

現状はどうかというと、開店してから100のお客さんの来店があったと仮定する。

50%は店主に似たお客さんで、残りは店主には合わないお客さんだった。

宣伝をして50のお客さんの来店に成功したが、やはり50%しか合うお客さんがいない…。

という繰り返しではないかと思う。

全くの新規のお客さんを集めるには、それなりの労力がかかる。

労力をかけたところで、半分を切り捨ててしまうのは、考えすぎなのかもしれないが、効率が悪いなと感じた。

そこで思ったのは、一度来てくれたお客さんをまた来てくれるようにする方法はないものだろうかということ。

ただ単に酒を飲みたいだけなら、自分で買って家で飲んだほうが安く上がる。

おいしい物が食べたければ、もっと他にいい店がある。

お客さんにしてみれば、何かをうちの店に期待して来店してくださった方なのだ。

見ず知らずのご新規さんをかき集めるより、よっぽど可能性は高いはず。

お客さんと接してみて、うちの店には合わないなと思ったら、どの部分を見てそう思ったのかに着目する。

そして、どうすればそれを合うように変えることができるか考えてみることが、糸口になるのではないかと思ったのだが。


追記

cocoa051さんのコメントを受けて、言いたかったことが書かれていなかったことに気がついた。

結論としては、新規開拓を目標に掲げていたが、現状を観察すると無駄が多いというか、効率的でない状況であるのがわかった。

それなら、一度来店してくれたお客さんを逃さない、もう一度来てくれるような対応を心がけるべきなのではないかと。

難しいことをあえて書くなら、お客さんをうちの店に合ったお客さんに変えるということ。

早く馴染んでもらうようにすると言えようか。

初めての来店時が勝負。

一期一会の精神で接客してもらいたいなと私は思う。

開業222日目 妻が帳簿をつけるということ

個人事業主である夫の帳簿を妻である私が毎日つけている。

基本的に数字が好きなので苦ではない。

ただどうやら、一般的にはそれが苦である人の方が多いようである。

しかし、夫の懐具合が分かるとなれば、やってみる気にはならないのだろうか。

きちんと個人のお金と店のお金を分離して管理できる夫には通用しない話であるが…。

我が家の場合、自分の財布を持っているが、店の財布とお金が行き来しているのが分かる。

現金出納帳&通帳と売上金&領収証を運ぶポーチ中身。

これらを見比べ、その相違具合で夫の状況がわかるようになる。

大抵何を買った、スロットで勝った負けたと自己申告してくれる人ではあるが、実際その通りに帳簿が増減しているのがなかなか面白い。

たとえ報告がなくても、帳簿を見てこんな動きをしているのかしら?と想像すると概ね予想通り。

生活パターンも仕事も全く違うすれ違い夫婦であるが、こんな共有の仕方もあるのかと最近思う。

さて、夫は私がどういう生活をしていると思っているのか。

よく私に言うのが「寝てばっかりだね〜」である。

それはあなたの活動時間帯が逆なだけでしょと私は言いたい(言ってるけど)。

開業238日目 初心に帰る

数日前のことである。

12月までの伝票をひと月毎にまとめ、箱へ収納した時のこと。

開業後1〜2ヶ月の伝票には、一枚一枚に日付が入っているのが目に留まった。

しかし今では一枚も日付が入っていない。

私が帳簿をつける時に日付の入ったレシートと一緒にホチキスでとめるので、まぁ良いかと黙認してしまった部分だ。

というのも、私が度々日付を書くように言っても聞く耳を持たなかったから。

お客をこなすのに精一杯でそこまで気が回らないといった感じだったので、私が諦めてしまったのだ。

店主である夫が日付を書かない状態だったので、全員がそれに倣ってしまったのだろう。

開業当初、私がホールへ出ていた時間は、スタッフに言いつけていたので書いていたのだが。

しかし今は状況が変わった。

暇だ暇だと言っているくらいである。

そういう時は店の雰囲気が悪くなりやすい。

そこで、日付をちゃんと書いてもらうように言った。

なんでそこで?といった反応だったが、初心に帰ってもらうため、開業当初は一生懸命やっていたことが今ではおろそかになっている部分があるでしょという点にも触れて話したら、意図を理解してくれたようだ。

そして今また一枚一枚に日付が伝票が手元にある。

開業243日目 飴とムチ

予想に反して今日もありがたい売上であった。

第4週はいまいちという印象があったのだが、よ〜く観察してみると、一番活気がある第1週と同様の売上パターンになっていた。

今週はブログサービスや新しい出会いがあって、来客数が普段より多くなったのも要因だろう。

億劫だと思っていたことが良い結果を生んだので店に弾みがついている、そんな印象がある。

焼酎に押され気味だった日本酒がまた盛り上がってきたと言うし。

やはり店主のやる気というか、積極的に提案しようという姿勢が復活したからではないかと私は思う。

何のためにこの店を始めたのか?どういう店にしようと思ったのか?今はどうなの?と散々痛いところを突いたのが功を奏したなら嬉しい。

やはり初心は大事だ。

さて私がムチなら飴は誰が?というと、これはお客さんの役目になっている。

日本酒の会で知り合った方が、近々行くと言っていて本当に来てくれたり、次回来る時の予約を飲みに来たその日に入れてくれたりということがあったそうだ。

こういうお客さんの存在が店を育てるということなのかもしれない。

その期待に応えるため、この界隈ではなかなかお目にかかれない日本酒を出す企画があるらしい。

またまた楽しみである。

開業260日目 話を伝える技術

人間には聞く耳というのがあると思う。

聞く側の話を聞く準備が整っているかどうかの確認が、話す側に必要だと感じる。

では話が聞ける準備とはどのような場合だろうか。

その前に、どういう状態だと話が伝わらないか考えてみよう。まず挙げられるのは、相手が何かに熱中している時。

テレビを見ている夫に、妻が今日の出来事を話しても聞いてくれないのと一緒。と書けば分かりやすいだろうか。

まぁそれはさて置き、要は耳がこちらを向いておらず、目の前しか見えていない状況だ。

こちらに向かせることは出来ないこともないが、向かせたところで心ここにあらずは想像に難くない。

やはりそれが終わるのを待つのが得策だろう。そして次に興味が移るタイミングを見計らって話せば良いのか。

でもここで全てを聞いてくれると安心してはいけない。

その話に興味を持ってもらわなければ、いくら話し手が良いこと、相手のためになると思うことを話しても伝わらない。

だからここでは相手が興味を持つかどうかの確認として、あらすじというかその話のさわりで感触を確かめた方が良いと思う。

話を聞く準備が出来ていない人間は、聞くことは出来ても自分の問題として吸収することは出来ないのである。

話を伝える技術の本質は、話の内容がいかに聞き手の問題であるかを理解させる、そこにあるのではないだろうか。

開業264日目 金銭感覚が変わっている?

朝、仕事から帰ってきた夫が開口一番「今日は話したいことがある」と言う。ちょっと凹んだ様子で何かと思えばお金の使い方のことだった。

思っていたより収入が増えているような感覚がある。それに流されて分不相応なお金の使い方ではないか。取り返しのつかない生活に染まってしまうのではないかということだった。

何のことを言っているのかというと、雇われていたときに比べて飲みに行く回数や金額が増えていて、ここ最近の金銭感覚に不安があるようだ。

お金があるから飲みに行っている訳ではない。

食事がままならないほど忙しかった時はお疲れ様の意味を込めて食事がてら出かけたり、従業員と話をしなきゃいけないサインがあった時には、飲みに行くかと誘ったりという訳がある。

店の終わる時間が遅いため、適当な店がない。

安く済ませることが出来る店はあるが、ただ空腹を満たすために行くわけではないので、それなりのお店に行くと値段が張る。

もちろん毎回奢っているわけではないが、立場上負担は日に日に多くなっている。まぁこれについてはそうやって年齢を重ねていくものだから、仕方がないと思っているが。

そうは言ってもはたして今の状態でいて自分は大丈夫なのだろうか。

そんなことを思いついて、収入に見合わない飲み食いをここ最近してるかなぁと従業員に言ったら、そうですねと返答されて凹んだそうだ。

開業265日目 仕事とお金と時間の関係

昨日の日記の通り雇われていた頃と金銭感覚が変わってきたと不安になった夫は、妻である私がどう思っているのかと心配になったらしい。

私は自分で稼いできたお金であるなら、基本的にはどう使おうと自由だと思っている。

自分の貴重な時間を使って稼いだお金なのだから、本人が自分の人生にとって大切であると思うものにお金を費やすのは当然のことである。

そのために仕事をしているのではないの?

だから決して使うなとは言わない。あえて言うなら「その使い方で本当に良いの?」と問うだけだ。

幸い夫のお金の使い道は、飲み食いとスロットだけである。スロットと聞くと一部の人は眉をひそめる遊びであるが、限度をわきまえているというか、まぁ小心者の部類なので今のところ許容範囲内だと判断している。

だから口を出していないのだと言ったら、それでは困る、調子に乗っちゃうじゃないかと夫。ちょっと遠くまで来すぎた子供のような心境なのだなぁと観察。

ちゃんと見てるからねとたまには口を出した方が良いらしい。

今週は特に会話が少なかったのも原因かも。というのも私の仕事が忙しく、睡眠を優先させてもらったからだ。

今日一通り話して安心した様子であった。

開業274日目 奢ることは見栄なのか?

自分で店を開いてからお客さんと飲みに行くことが増えたらしい。前に勤めていた店からのお客さんやうちの常連さんで、夫と個人的に気があった人とである。

通ってくれる回数に比例しているのではなく、友人のそれに近い関係なのだと思う。どういう人たちなのかと聞くと大抵年下か女性。

そうするとやはり夫が奢るはめというと言葉は悪いが、まぁあてにされているのが伝わるというか、そんな雰囲気になることが多いらしい。

雇われていた頃は割り勘と言えたのに、今の立場になってから言いにくくなったという。

これは見栄なのだろうかとちょっと悩んでいる様子の夫。それともやはりそういうのは当然のことなのだろうか。

自由に使えるお金が多いのは確かだが、そもそも自由に使えるお金を多く勝ち取る努力の結果であって、それをしてこなかった人間にさも当然のように払うべきと思われるのは心外。

実りある話が出来た、楽しかったというときは会計を持つのに何ら抵抗はないのだが、あからさまにあてにされては抵抗がある。

まぁそれはよく分かるが世の常だしねと私が言ったときは、奢ってもらったことが少ないし、いつも奢る人をみると見栄っ張りだと批判的に思っていたので、そう素直には思えないと言っていた。

これはもう、夫の中で折り合いをつけてもらうしかない問題だなぁと思った。

開業275日目 他人目線が出来ない理由

居酒屋マーケティング情報誌(犬は肛門を見せて歩いてる)」さんのブログで、店に関する考察があった。

記事タイトルだけを見ると、うぉっっと思うがかなり含みがあると予感。内容は予想通り私の好きな客観的視線ということだった。

こちらに書かれた記事、まさに夫のことであり、そうそう、そうなんだよねぇと相槌を打ってしまった。

だから実は私、夫と初めての店に行くのは嫌なのだ。視線が厳しいので辟易しちゃうときがある。

それはさて置き、じゃぁ自分の店はどうなのというと、やはり件の記事の通り、自分の思う通りに作った店だから当然欠点は感じていない様子。

いつだったか私が店のカウンター(に座るの)は寒い。何か言われたことはないのかと聞いたときも、そういう意見はほとんどないと言っていた。

うちの店を気に入ってくれるお客さんは、やはり夫と気にならない部分が似ているのだろう。

何に居心地の良さ感じ、何に嫌悪感を持つのか人それぞれである。各自自由に店を選び足を運ぶのであるから、淘汰されるのは当然のことと思う。

もっと違う目線で見たらと意見を言いたくなるときもあるが、自分の肌で感じ必要に迫られないとそういう視点でものを考えられないのだろう。

現状に満足しているということなのかもしれない。

開業276日目 開業できない人とできる人

事業主は、職人型と商売人型の二つのタイプに分けることが出来る。

私の知っている範囲での話だが、職人型は少なく、自分で店を持ちたいと言いつつ、いつまでたっても独立しないのが前者と観察される。

日々の生活を切り詰めて、うち程度の規模なら無借金で店が作れる程の貯金がある人や、腕も客も融資してくれる人もいると豪語しながら、それでも行動に移さない人がいる。

夫がどちらの型に分類されるかというと、職人と言える程の腕がないという点において後者である。

ずっと飲食に携る仕事をしてきたが、専門的な調理の経験はあまりなく、手持ちのレシピは開業時のグランドメニューで出尽くしたような人。しかもそのうちの何品かは作ったことがないものもあったという。

資金だって開業準備でほとんど使い、運転資金は僅かしか残らない程度しか用意することが出来なかった。

なぜそんな人が開業できたかというと、こだわりがなかったからだと思う。

信念は当然あっただろうが、こうでなければいけない、できないと思わないこだわりのなさが開業にこぎつけた要因ではないだろうか。

あとは人に使われるのは嫌だという気持ちと色々な店を見てあの程度でいいなら俺にだってという自信なのかなぁと思う。

開業278日目 お花見シーズン

今日は土曜日。私は仕事が休みなので家にいる。

今日こそ絶対に酒を買いに行かないとまずい。何としても1時に起こしてくれと店から帰ってきた夫に言われた。

私はこの役目が嫌である。なぜならなかなか起きてくれないからだ。睡眠時間を計算すると、今日は8時間寝ることが出来る。それでも夕方起きる普段の夫にしてみれば、うんと早起きの時間。

今日はあまりお酒を飲んで帰ってきていないようなので、いつもより楽だと思うが。でもいざ起こそうとすると本当に嫌がるので気が重い。なんか私が悪いことしているような気になる。

でもさぁ子供じゃないんだし、遅く起きて困るのは自分なんだからちゃんと起きようよと毎週思う。

さて、今日の日記タイトル通り今は桜の季節である。

お酒を仕入れているお店が花見の名所に近いところが多く、今日車で行ったら3倍の時間がかかってしまったとのこと。厳しく起こさなかったら、営業準備に間に合わなかっただろう。

今日の営業はぽつりぽつりとしかお客が来なかった。イベントのある時期はどうも弱いようだ。

みんな花見に行っていて駄目なのかなぁと12時近くになってバイトが帰ろうとしたその時、続けざまにお客が入って来てそれから注文の嵐。

疲れた一日だったらしい。

開業280日目 分類の必要性

先日の日記で、事業主を職人型と商売人型に分類してみた。これは何も事業主に限った話ではなく、誰にでも当てはめて考えることが出来る。

誰かを見て判断するとき、適材適所を見極めるとき、これを見誤ると不幸な環境が出来上がってしまう。そのため店主には重要なスキルだと思う。

職人型は生産できる人、商売人型は観察できる人と言い換えることが出来る。商売をするにあたり、どちらか一方に偏っていては、その事業は成り立たない。

作る人ばかりで管理する人売る人不在では収入は上がらないし、観察する人ばかりでは売りになるものがない=収入がない、に、なってしまう。

いずれにせよ要はバランス。自分の店なり会社がどちらに強いのか、何が不足しているのか考えて、店主が調整しないと駄目だ。

足りない部分を他から補うのか、自ら意識を変化させるのか、それは自分の型を考慮して選択するのが良いだろう。

さて、居酒屋のようなサービス業において職人型というのは、何も料理をする人だけではない。接客スタイルにポリシーを持ちお客の心をつかめる人も職人型だと思う。

これも立派な生産である。お金を生み出すという点において。

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