会計ソフトfreeeで平成25年度確定申告の準備

確定申告書作成前に確認すべきこと。

帳簿の確認の前に・・・

今年は急きょ会計ソフトを変更し「全自動クラウド会計ソフトfreee」を使ってみることにした。無料の会計ソフトで途中まで入力しておりかなり悩んだのだが、今までのデータを多少加工すれば、インポートが可能ということで踏み切った。

今年度から再び消費税が本則課税で税抜き会計処理が辛くなり、消費税対応の有料会計ソフトを使うことに。有料といっても1年で1万円以下の費用で使え、クラウドなのでパソコンが壊れても安心ということが、大きい。

さて、この会計ソフト。実は反応がいまいち(2014年2月時点)。我が家の通信環境が悪いということもあるので、濡れ衣な感想かもしれないが。

また、リリースしたばかりのせいか、挙動というか登録後の処理が発展途上の様子。パソコンの操作にある程度の「慣れ」がないと少々戸惑うので、誰にでも薦められないな、というのが正直な感想。今後に期待、だ。

さて、1年分入力し、「決済」の「完了」した取引の修正方法を見出したので記しておく。

決済が完了した仕訳の修正が少々厄介で、この対処方法を確立するまでは、試行錯誤した。勘定科目や摘要だけの修正なら問題ないのだが、金額や日付を修正する場合はこの方法がベスト。日々進化しているソフトなので、明日には状況が変わっているかもしれないが。。。

では、その手順。

  1. 修正したい「取引の詳細」を開く。
  2. 右上の「コピー」をクリック。
  3. 「取引の詳細の編集」画面が表示されるので、左側にある「決済」の「完了」をクリック。
  4. 金額を修正し「保存」すると、この画面は自動的に閉じる。
  5. 先ほど右上の「コピー」をクリックした画面が再び現れ、同じく右上の「削除」をクリック。
  6. 「削除」ボタンがない場合は、一覧から削除する。

つまり、間違った取引のコピーを作成し、正しい取引を作成した後、誤った取引を削除する、という流れだ。

別に、「決済」の「完了」した取引の「決済」を解除して修正することはもちろん可能なのだが、そうすると、一旦「未決済の取引」として処理が成立してしまい、「未払費用」勘定で仕訳が自動生成されてしまう。

これの何が嫌かというと、「決済=完了」で登録すれば、ひとつの仕訳で取引が完結するのが、「未払費用」勘定で仕訳が自動生成され、二つの仕訳で取引が完結になる。

具体的な例を挙げると以下の通り。

「決済=完了」で登録すると
 → ○月×日 仕入100円/現金100円

「決済=未完了」が一瞬でも登録
 → ○月×日 仕入100円/未払費用100円
 → ○月×日 未払費用100円/現金100円

後者のデメリットは、仕訳帳や総勘定元帳がその分長くなるのと、本当に掛けで買っている商品が目立たなくなってしまうところにあると思う。

帳簿の確認

毎月入力すべき伝票、通帳、カード売上、カード支払の入力、買掛金の計上が無事終了したので、総勘定元帳の現金以外を上から順にチェック。

まずは「商品」。今年も期首の仕訳を全くしていなかったので、今行う。

1/1 期首商品棚卸高XX/商品XX で、残高を0にする。

続いて決算仕訳。年末に行ったお酒や食材の棚卸メモの金額を計上。仕訳は、

12/31 商品XX/期末商品棚卸高XX

次に「前払金」。期首にあるべき再振替仕訳がないので、今行う。

1/1 地代家賃XX/前払金XX で、残高を0にする。

続いて例年同様、月末に支払った店の家賃は来月分、つまり、次年度の分なので今期の経費にならないよう決算仕訳する。

12/31 前払金XX/地代家賃XX

次に「仮払金」。消費税の中間納付分がある。これを消費税勘定の決算仕訳の際相殺し、残高0にしておく。

次に「長期前払費用」。融資を受けた際の信用保証料がある。融資を受けた年の決算に計算しておいた、各年度ごとに仕訳する金額のメモを見ながら計上。

12/31 信用保証料(長期前払費用償却)XX/長期前払費用XX。

同様に広告費として投資した代金がローン形式になっており、今年度分の利子を計上。

12/31 利子割引料(長期前払費用償却)XX/長期前払費用XX。

次は「建物付属設備」と「備品」。今年は冷蔵庫の購入と空調の修理が嵩んだので、計上が必要。減価償却費は、確定申告書作成時に算出するので後回し。

次は「事業主貸」。イレギュラーな仕訳、つまり誤った仕訳がないかどうか確認。

「預り金」は、1月と7月の源泉税納付時にこの勘定にて計上しているか、同様に住民税納付の6月と12月に、同様に雇用保険が7月に計上されているか確認。

「未払消費税」は、4月にその前の年の消費税を払ったときに相殺されており、残高は0。

「未払金」は、毎月月末払いになっている通信費があったが、カードでの支払いに切り替えたため、今年もなし。

「長期借入金」は毎月規則的に計上されているのを確認。2店舗目の借金だけだが、まだ結構な額。夫の貯金が増えるのは、あと2年くらい先?

「事業主借」は、ほとんどがわずかな金額の預金利息。

「広告宣伝費」の戻りが毎月ある。年度末の金額を決算仕訳で雑収入に振り替え、費用のマイナス表示を消す。

残り「売上」以下、変な勘定科目による仕訳が混入していないか確認。

次に税区分の確認。freeeの「決算」から「消費税区分別表」を表示。

基本的には設定した通りで登録されるので問題ないのだが、何かのはずみで触ってしまい、意図しない区分になっている場合もある。不適切な区分だけでなく仕訳が間違っている場合もあるので、おろそかにはできない。

そして最後に「現金」。実際の現金の出入りについては、一切関与していないので実態は不明。証憑をありのままに入力しているだけなので、残高が所々マイナスになっている。

これを「事業主借」による現金の補充で調整する、つまりマイナスを無くす作業だ。3か月ごとにCSV出力。「事業主借」を挿入してそれらしい残高に調整。挿入した行だけオートフィルタで残し、仕訳を入力していく。

さて「現金」の帳尻合わせが終わり、「事業主借」の最終残高と昨年の持ち出しになった金額が合っているか夫に確認する。ほぼ相違ないとなれば、帳簿の確認はすべて終了。

freee 全自動のクラウド型会計ソフトで決算書の作成

「e-Tax 機能が正式版としてリリースされた」というメールを受け取っていたので、試してみる。

確定申告書作成コーナーで作成する場合には、この決算書を取り込むことはできないのだが、今年はe-Taxソフトを使っても良いかなと思いつつ着手することに。

アクションを上から順にこなせば良いらしい。すると「給与の入力」が一致しないというアラートが。

給与台帳を改めて確認すると、支払総額ではない数字が入力されていた。預り金をマイナスするというのに慣れておらず、頭が複合仕訳に切り替わっていなかったのが原因。

このページの冒頭で書いた方法で修正。アラートが消え「済」になった!

次に「資産の確認」。

確定申告書作成コーナーで作成すれば前年度のデータを使えるので、ここで新たに入力するのは面倒だなという思いが頭をよぎる。でも気を取り直して、去年の決算書PDFを出して転記してみた。

しかし、「決算書と固定資産台帳が一致しない」というアラートが。

何度も元帳を出力したり、画面コピーを取ったりと確認するも、元帳と固定資産台帳は一致しているのに、決算書へ転記された金額がおかしい。これは問合せしなければ!

ということで、先ほどから右下にあるチャットウィンドウが邪魔だなと正直なところ思っていたのだが、一変して有難い存在になった。

標準プランで利用していると、平日10-12時及び14-17時にチャットでサポートしてくれるのだ。

チャットでは解決できず、問合せフォームから画面ショットを添付して、原因を特定して頂くことになった。

ま、この決算書がダメでも、例年通り確定申告書作成コーナーを利用すれば良いだけだしと気楽な気持ちで、減価償却以外の科目をチェックする。

勘定科目の設定が肝!

先ほどの減価償却費の不一致、結論から言うと勘定科目の使い方が良くなかったのが原因だった。

このソフト、「元帳で使う勘定科目」と別に「決算書の表示」という列を持っていて、似通った勘定科目は「ひとつの表示」にまるめられてしまうというのを今回理解した。

「決算書の表示」の「減価償却費」は、「元帳」の「減価償却費」の他に「長期前払費用償却」と「繰延資産償却」がある。

今回「長期前払費用償却」を長期前払い費用の決算仕訳で、それっぽいなという軽い気持ちで使用していた。この金額と固定資産の償却費が合算されて決算書に転記された訳だ。

わかってみるとなんのことはないが、マスタ理解はホント大事だと改めて実感。

このソフトを使い始めた時も安易に自動処理してしまい、誤った設定でいくつもの仕訳がされ痛い目に合っていたのに。

自動だからこそ、設定が肝!なのだ。(20140217)

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